風月宝鑑は一面の不思議な鏡である。表と裏、両面も人を映られる表から観たら美しい人が映り、裏から観たら骸骨が映る。
この哲理に富む洗練な和風寸劇を体験する過程で、違うなにかを感じるかもしれない。キャラクターごとに二つの結末があり、一つは人を癒す、一つは人を泣かせる。風月宝鑑の裏の結末をクリアしたら、『ロミオとジュリエット』みたいに意外な展開と、 成人向けの『アンデルセン童話』のようなストーリーが見られる。現実は時には悪夢のように、私たちは自分を悪夢から呼び覚ます人を待っている。けれど、その人はいつまでもやってこない、自分を呼び覚ませるのは苦闘する自分自身だけ。
一つ一つの物語に世の情けがあり、キャラクターごとに自分の信仰がある。至人は己れなく、神人は功なく、聖人は名なし。人の価値は自分自身で決めること、これもこのゲームの真意である。